国宝・曹洞宗高岡山瑞龍寺は、加賀二代目藩主前田利長公の菩提を弔うため三代藩主利常公によって建立された。山門は正保2年(1645)、仏殿は万治2年(1659)、法道は明歴年間(1655〜1657)につくられ、全体として寛文3年(1663)の利長公五十魁偉回忌までに造営されたとされる。伽藍は総門・山門・仏殿・法堂を一直線に配し、左右に僧堂と大庫裏を置き、四周を回廊で結んでいる。全体が重要文化財の指定を受けている。鎌倉時代禅宗の渡来と共にもたらされた中世中国の寺院建築を模したとされるが、シンプルで無駄のない空間は、どこかイタリアのパラッツィオ(邸宅)のように洗練された趣がある。
瑞龍寺と前田墓所を結ぶ長さ約八丁(870m)の参道は、「八丁道」と呼ばれているが、昭和62年〜平成2年にかけて修景整備が行われた。重厚な石灯籠が114基設置されており、これが独自の景観をつくっている。まちづくり活動の一環でこれらに火を灯すイベントも開催されている。 |
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