金蔵は、能登半島の先端部に位置する輪島市の集落である。緩やかな山腹にのびやかに広がる田と樹木、伝統的な家屋などが調和した里山景観が見られる。
白雉年間(西暦650年〜654年)の開基とされる「岩倉山金蔵寺(いわくらざんかなくらじ)は村の中核で、集落全域に七堂伽藍八坊を構え、寺領として勢力を持ち、町野荘本圧として栄えた千石在所であった。室町時代(1527年)には、全村焼き討ちとなったが、支通の要衝としてその後も栄え、明治初期には一早く、区会所や、小学校が建設され、溜池や隋道整備の土木技街の高さは、当時の大きな話題となった。現在は86戸にすぎない集落だがこのように以前は旧町野荘における文化の中心地であった。
この金蔵で、平成12年1月から、NPO法人金蔵学校が金蔵地区の史跡探訪、情報発信、パソコン講習等、幅広い活動を行っている。また、金蔵で収穫された米を天日で乾燥させたはざ干し米「金蔵村産のコシヒカリ」や、能登杜氏が金蔵の米でつくった純米酒「純米酒 米蔵金」など、地元産品のブランド化を行い、ネットでの販売も行っている。
さらに、お寺の円窓回廊を活用したデッキテラスで四季を感じられるオープンカフェ「木音」では、地区外からの集客も見られ、にぎわいがうまれている。地域の資源や特産品を活用した産業と暮らしの維持による里山景観の保全が行われている。
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